ノキア1100シリーズは、ロシア、インド、中国など新興国向けに開発されたものという。
しかしヨーロッパでもヒットした。その理由は、同様に1100ファンである近所のフォトグラファー、フランチェスカの言葉に集約されている。
「電話とメールが簡単にできる。そのうえ価格が安い。これでいいのよ!」
たとえイラスト入りメッセージが作れなくても、カメラがなくても不便がないことをヨーロッパの人々は悟り始めたのだ。お金が浮いたぶん、いつも食べるパスタをひとつ高いものにしたほうが幸せを感じる度合いが高い可能性だってあるのだ。
携帯電話の電波が入らない場所は不安だけど、電波が入らないレストランでは食事や会話に集中できるし、飛行機の中ってリラックスできたりする。テクノロジーは絶えず進化して、それに応じて人々のライフスタイルも大きく変化するけれど、テクノロジーを使っているつもりで使われてしまっているのかも。
たまには携帯電話を持たずにおいしい食事やお酒を楽しむような週末を過ごしてみるのもいいのかもしれない。