どのSNSも大抵はお腹すいたとか、こんなご飯食べたよとか、今どこそこにいるよーなんて割とどうでもいいような内容が溢れているわけで、僕も含めて多くの人の場合いくつものサービスに登録はするけど結局一つか2つのサービスに落ち着くか、クロスポストしているだけ、みたいなのが現状。各サービスもプラットフォームを用意はするけど、使う目的を明確に示しているわけではないから慣れた方に留まってしまうのは当然といえば当然か。
そんな中ちょっとだけ毛色の違うLinkedInが日本語化され、正式に日本でローンチされたとのことでお披露目の説明会に参加してきた。既にサービス開始から8年が経過していてユーザ数は1億2千万人ほど。Facebookが5億、6億ユーザ、Twitterが1億ユーザだからかなり大きな規模。日本での提携先はTwitterなどの日本進出も手がけているデジタルガレージだそうだ。
じゃあ何が他のサービスと違うのって話になるのだけど、目的がはっきりしてるということ。Facebookも実名登録で物議をかもした時期もあったけどLinkedInはもっとすごい。
実名は当然のことながら学歴、職歴、表彰、ボランティア経験など履歴書や職務経歴書に書くべき内容をまるごと登録するのだ。
Twitterなんかだとお腹すいた→じゃあご飯食べに行こう!ってのがよくある日常だけど、LinkedInでは人が足りない→じゃあ明日から働ける人を探そう!こんなサービス作りたいけどエンジニアが足りない→じゃあ世界中のエンジニアに呼びかけよう!みたいに完璧にビジネスに特化しているのだ。
その他にも海外に進出するときに現地の法律、財務会計、スタッフ募集などに関し無知であってもその国に関するプロフェッショナルな弁護士、税理士、コンサルティングを国内にいながらにして探せるのだ。
既に何人かの日本人の方が日本語で登録されていたので検索してみたのだけど、オープンすぎると言うか、その人の裸を見ているような感覚になる。ある意味それ以上か。
これ、いわゆる日本の巨大企業のサラリーマンが登録するにはかなり敷居が高いような気がする。学歴はともかく自分の過去携わった仕事や今現在の業務をネット上でどこまで公開するかという線引きが非常に難しいのではないだろうか。自分自身がそうであるように。
ただ、情報を公開するリスク以上のリターンがあることは十分に認識するべきだし、この流れを止めるのは難しいと言うか、ほぼ無理。逆にフリーランスやエグゼクティブクラスの人は公開情報を自分自身で線引きできるし、詳細情報を登録しておけば営業マン不要で活動することもできちゃうかも。
いい仕事をしたり結果を残したりした人には、世界中からより良い条件でのオファーが来るし、多くの優秀な人と繋がることができる。優秀な人、運の良い人、強い人はより良い環境で仕事をすることができ、逆の人は良くて現状維持が精一杯になってしまう。
ビジネスに特化したSNSが日本で定着するかどうかは未知数な部分はあるけど、日本の企業がどのように対応していくか、僕のような典型的なサラリーマンが流れに上手く乗れるのか注目していきたいと思う。
LinkedIn http://www.linkedin.com/
蛇足ではあるけれど、今回の発表会は一応ブロガー向けとはなっていたけどメディア向けの内容とほとんど同じだったような感じ。最近いつも感じるけど企業が新商品やサービスを発表するときに敢えてメディアを使う必要ってなくなると思う。特にIT系なんて、報道する側よりハイエンドユーザーの方が解説が正確で的確だったりするしね。